「この子の介護、いったいどのくらいお金がかかるんだろう…」
深夜、愛犬の寝顔を見つめながら、そんな不安がふと胸をよぎることはありませんか? 足腰が弱ってきた、食欲が落ちてきた、夜中に鳴くようになった——愛するペットの老いを感じ始めると、「もしものとき、経済的にやっていけるのだろうか」という心配が頭をもたげるものです。でも大丈夫。費用の目安を知っておけば、漠然とした不安は「備えられる課題」に変わります。この記事では、ペット介護にかかる費用を項目別にわかりやすくお伝えします。あなたが安心してあの子と向き合えるよう、一緒に見ていきましょう。
老犬・老猫の介護費用、月にどのくらいかかる?
まず気になるのは、「結局、毎月いくらかかるの?」という点ではないでしょうか。
2025年の調査によると、犬の月間飼育費用は平均20,603円、猫は13,980円とされています。ただし、これはあくまで「平均」の数字。介護が本格化すると、毎月3万〜5万円以上かかるケースも珍しくありません。大型犬の場合はさらに費用がかさみ、年間45万円を超えることもあります。

「こんなにかかるの…」と驚かれたかもしれません。でも、これは最大限の介護が必要になった場合の話。すべての子がここまで費用がかかるわけではありませんし、早めに準備を始めれば、十分に対応できる金額です。
大切なのは、「いくらかかるか」を知ることで、「いくら備えればいいか」が見えてくること。漠然とした不安を抱えたまま過ごすより、具体的な数字を知って心の準備をしておくほうが、ずっと気持ちが楽になりますよね。
介護の全体像については、老犬・老猫の介護を仕事と両立させるための完全ガイドでも詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
出典:【ペットに関する調査2025】犬や猫との生活はシニア女性の幸福度向上に貢献していることが明らかに。
通院・治療費は介護費用の大きな柱
介護期に最も負担が大きくなりやすいのが、動物病院での治療費です。
ペットには人間のような公的医療保険がありません。つまり、すべての治療費が自己負担となります。若い頃は年間2〜3万円程度だった医療費も、12歳を超えると年間15万円近くに跳ね上がることがあります。腫瘍の手術となれば10万〜30万円、心臓病の継続治療では月に1〜2万円の通院費がかかることも。

だからといって、「お金がないから治療を諦める」なんて選択はしたくないですよね。ここで考えたいのが、ペット保険の活用です。高齢でも加入できる保険は限られますが、8歳や10歳からでも入れるシニア向けプランが増えてきています。たとえば、補償割合70%のプランであれば、10万円の治療費も自己負担は3万円で済みます。「まだ元気だから」と先延ばしにせず、できれば7歳までに加入を検討しておくと選択肢が広がりますよ。
介護用品、何をどれだけ揃えればいい?
愛犬・愛猫の状態によって必要なものは変わりますが、代表的な介護用品とその費用の目安をお伝えします。
まず、足腰が弱ってきた段階で重宝するのが歩行補助ハーネスです。後ろ足を支えるタイプで3,000〜5,000円程度。段差の上り下りが難しくなったら、スロープやステップも検討してみてください。こちらは5,000〜15,000円ほどで手に入ります。
排泄のコントロールが難しくなってきたら、紙おむつの出番です。犬用おむつは1枚あたり30〜50円程度ですが、1日に何度も交換するとなると、月に3,000〜5,000円ほどかかることもあります。実は、人間用の赤ちゃんおむつや介護用おむつを加工して使う方法もあり、コストを抑えられることがありますよ。
寝たきりになった場合に必要なのが、床ずれ防止マットやクッションです。体圧を分散する専用ベッドは5,000〜15,000円、ドーナツ型クッションは2,000〜4,000円ほど。床ずれは一度できてしまうと治療が長引くため、予防にしっかり投資しておくことをおすすめします。
外部サービスを利用する場合の費用
「仕事があるから、日中はそばにいてあげられない」
そんな罪悪感を抱えていませんか? でも、プロの手を借りることは、愛情の放棄ではありません。むしろ、あなたが心身ともに健康でいるために、そしてあの子に笑顔で接し続けるために、必要な選択なのです。
ペットシッターを利用する場合、1時間あたり3,000円前後が相場です。介護が必要な場合はオプション料金がかかることもありますが、留守中の食事や排泄の世話をお願いできるので、安心して仕事に集中できるようになります。
「日中だけ預かってほしい」というニーズには、老犬デイケアというサービスがあります。1日あたり5,000〜8,000円程度で、専門スタッフが見守りやリハビリを行ってくれます。

長期的なお預かりが必要な場合は、老犬ホームという選択肢も。年間43万〜150万円と幅がありますが、24時間体制で介護してもらえるため、ご自身の入院や介護疲れで限界を感じたときの「最後の砦」となってくれます。環境省によると、老犬・老猫ホームの届け出件数は2024年時点で268件と、10年前の13倍以上に増えているそうです。「頼れる場所がある」と知っているだけで、気持ちは随分と楽になりますよね。
外部サービスの活用法については、ペット介護に疲れた・ストレスを感じる時の対処法でも詳しくお伝えしています。
費用を抑えながら介護を続けるコツ
「お金が続くか心配で、先のことを考えると眠れない」
そんな夜もあるかもしれません。でも、工夫次第で費用を抑えながら、愛情いっぱいの介護を続けることはできます。
まず、介護用品はすべてを新品で揃える必要はありません。クッションやマットは人間用のものを代用できることも多いですし、フリマアプリで状態の良い中古品を見つけられることもあります。おむつも、先ほどお伝えしたように人間用を加工すればコストダウンが可能です。
ペット保険に未加入の場合は、「ペット用の貯金」を始めてみてはいかがでしょうか。2025年の調査では、ペットのための貯蓄目標額として「90万円以上」を挙げる飼い主さんが約3割いるそうです。毎月少しずつでも積み立てておけば、いざというときに慌てずに済みます。
そして何より、定期的な健康診断を忘れずに。シニア期は半年に1回の検診が推奨されています。早期発見・早期治療ができれば、結果的に医療費を抑えられることも多いのです。
仕事との両立に悩んでいる方は、会社の制度を確認してみてください。有給休暇やフレックス制度、リモートワークの活用など、介護休業の活用法を知っておくと、いざというとき助けになりますよ。
ペットの介護費用:よくある質問(FAQ)
まとめ:費用を知ることで、不安は「備え」に変わる
ペットの介護費用について、項目別にお伝えしてきました。
通院・治療費、介護用品、外部サービス。確かにお金はかかります。でも、その金額を「知っている」ということは、「備えられる」ということ。漠然とした不安を抱えて過ごすより、具体的な数字を知ったうえで、できることから準備を始めるほうが、ずっと前向きに介護と向き合えるはずです。
プロの手を借りることは、決して愛情の放棄ではありません。ペットシッター、デイケア、老犬ホーム…そうしたサービスを上手に活用することで、あなた自身の心に余裕が生まれ、あの子に笑顔で「おはよう」と声をかけられる時間が増えるのです。
そして、介護の先には、いつかお別れの時が訪れます。その日を後悔なく迎えるために、今から少しずつ心の準備も進めていきませんか?
老犬・老猫の介護を仕事と両立させるための完全ガイドでは、介護の全体像から看取りまでの準備まで、丁寧にお伝えしています。この子との残された時間を、穏やかに、愛情いっぱいに過ごすために——ぜひ、一緒に読み進めてみてください。
あなたとあの子の毎日が、心やすらかなものでありますように。
