ペットがいる家庭の引っ越しガイド|ストレスを減らすコツ

ペットがいる家庭の引っ越しガイド|ストレスを減らすコツ
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長年一緒に暮らしてきた愛犬や愛猫との引っ越し。
家族にとっては新しい生活の始まりかもしれませんが、ペットにとっては大きな環境の変化です。特に高齢の子であればあるほど、知らない匂いや音、慣れない空間に強いストレスを感じることがあります。

「引っ越しは人間の都合。でも、この子にできるだけ穏やかに過ごしてほしい」。そう願うすべての飼い主さんへ
ここでは、引っ越しの前から当日、そして新居での過ごし方まで、ペットのストレスを最小限に抑えるための実践的なヒントをお届けします。

引っ越し前|ペットにとって”変化”をなるべく小さくする

引っ越しの準備でバタバタする日々。その気配はペットにも伝わっています。段ボールが増え、家具が動き、人の動きが慌ただしくなる。
そんな環境の変化自体がストレスのもとになります。

特に高齢の犬や猫は、視覚や聴覚が衰え始めているため、「いつもと違う」ことに敏感に反応します。小さな変化でも不安になることがあるのです。だからこそ、以下のポイントを押さえておきましょう。

引っ越し前の準備ポイント

荷造りは徐々に、少しずつ行う:突然の大きな変化ではなく、ゆるやかな移行を意識します。一度にたくさんの段ボールを出すよりも、1週間前から少しずつ荷造りを進めましょう。

ペットの生活スペースは最後まで残す:ごはん、トイレ、ベッドなど、いつもの場所と配置をできるだけ変えずに保ちましょう。これらの場所は引っ越し当日の最後まで残しておくことで、安心感を与えられます。

いつもの匂いが安心感に:使い慣れた毛布やおもちゃは絶対に手放さず、引っ越し先でも活用します。洗濯せずにそのままの匂いを残しておくことで、新しい環境でも安心できるでしょう。

事前にキャリーやクレートに慣れさせておく:引っ越し当日にいきなり入れられると、強い抵抗を示すことがあります。数週間前から少しずつキャリーに慣れさせて、好きな場所だと認識できるようにしておきましょう。

動物病院や新しい散歩コースを調べておく:引っ越し先の近くにある動物病院をあらかじめ調べておくと安心です。また、犬の場合は新しい散歩コースも事前に調査しておくと良いでしょう。

引っ越し当日|安全第一、心の距離は近くに

引っ越し当日は、想像以上に騒がしく、混乱するものです。作業員の出入り、開け放たれたドア、大きな物音。そんな中、ペットが家の中を自由に動き回るのは非常に危険です。ペットの安全を第一に考えましょう。

引っ越し当日の対応ポイント

安心できる個室で待機させる:引っ越し作業の間は、静かな部屋にケージやキャリーごと入れておき、安心感を保ちましょう。お気に入りのおもちゃやタオルを一緒に入れてあげると良いでしょう。

可能であれば、一時的にペットホテルや知人宅に預ける:高齢のペットが混乱しやすい場合には、事前に安全な場所を確保することも選択肢です。特に寒い冬や暑い夏の引っ越しでは、温度管理ができる場所で待機させることも検討しましょう。

声かけを忘れずに:「ここにいるよ」「大丈夫だよ」と声をかけるだけで、驚くほど落ち着いてくれます。忙しい中でも、時々様子を見に行って声をかけてあげましょう。

移動中は安全確保を徹底する:車での移動中は、必ずキャリーやクレートに入れて、シートベルトで固定しましょう。急ブレーキや事故の際にペットが投げ出されないよう注意が必要です。

必要な薬や水、おやつを用意しておく:移動中や到着直後に必要になる薬やペットフード、水、おやつなどは、すぐに取り出せる場所に準備しておきましょう。

引っ越し作業が終わり、新居に着いても、すぐに落ち着くわけではありません。新しい環境に慣れるまでには時間がかかります。ペットの様子を見守りながら、少しずつ新しい環境に適応できるよう手助けしましょう。

引っ越し後|安心できる”自分の居場所”を作ってあげる

新しい家に到着したら、まずペットの”落ち着ける場所”を優先して整えましょう。人間の荷物よりも先に、ペットの環境を整えることが大切です。

新居での環境づくりポイント

旧居と同じ配置を意識する:ベッドやごはん、水、トイレの位置は、できるだけ旧居と同じ順序・方角に配置しましょう。例えば、「リビングの北側にトイレ、東側にベッド」といった具合に、方角や部屋の関係性を似せることで、ペットは新しい環境でも迷わず過ごせるようになります。

生活リズムを崩さない散歩や食事の時間など、できる限りいつも通りのスケジュールを守りましょう。時間通りの散歩や定時の食事は、ペットに「いつもと同じ」という安心感を与えます。

最初は行動範囲を狭く:いきなり家中を自由にさせるのではなく、ひと部屋ずつ慣れさせることが大切です。特に猫は、新しい環境に慣れるのに時間がかかるので、最初は一部屋だけで過ごさせ、徐々に行動範囲を広げるとよいでしょう。

匂いと音で安心を与える:飼い主の服や音楽、いつものおもちゃなどを活用して、「ここは安心できる場所」と認識させてあげてください。フェロモン製品や、いつも家で流している音楽なども活用するとよいでしょう。

観察を怠らない食欲の変化、水の飲み方、トイレの状態、行動パターンなど、普段と違う点がないか注意深く観察しましょう。特に高齢ペットは環境の変化によって体調を崩すことがあります。

高齢のペットの場合、環境の変化に適応するまでに数日から数週間かかることもあります。焦らず、見守りながらサポートしましょう。無理に新しい環境に慣れさせようとせず、ペットのペースを尊重することが大切です。

引っ越しを乗り越えた先に待つ、穏やかな毎日

「最初の3日は落ち着かなかったけど、今は前よりよく眠るようになった」

「食欲が落ちて心配したけれど、今では自分からごはんの場所に行くように」

そんな声を多くの飼い主さんから聞きます。引っ越しは確かにペットにとって大きな試練。でも、それを乗り越えると、また新しい”日常”が始まります。

そのためには、飼い主であるあなたの落ち着きと、ちょっとした工夫、そして「気づき」がとても大切です。ペットは、あなたの心の動きを敏感に感じ取っています。安心を与える最大の存在は、やはり”飼い主のあなた自身”なのです。

まずは今日からできる、小さな準備を

「うちもそろそろ引っ越しかも…」そんなタイミングなら、今日からできることがあります。引っ越しが決まったらすぐに始められる準備をご紹介します。

今からできる準備

キャリーやクレートに慣れさせる:キャリーやクレートにおやつを入れて、楽しい場所だと認識させましょう。中に入ったらおやつをあげる、お気に入りのおもちゃを中に入れるなど、少しずつ慣れさせていきましょう。

思い出の品を残しておく古いタオルや毛布を残しておき、新居でも使えるように取っておきましょう。特に猫は匂いに敏感なので、使い慣れた寝具は新居でも重宝します。

引っ越し先の環境を調べる:引っ越し先の近くにある動物病院を事前に調べておきましょう。また、犬の場合は散歩コースや公園なども調査しておくと、到着後にスムーズに生活を始められます。

必要な書類を整理する:ペットの健康手帳や予防接種記録など、重要な書類は整理しておきましょう。引っ越し先の自治体で必要な手続きがある場合もあります。

ペットと過ごす時間を確保する:引っ越し準備で忙しくなると、ペットとの時間が減りがちです。意識して一緒に遊ぶ時間や撫でる時間を確保し、ペットの不安を軽減しましょう。

これらはすべて、ペットにとっての”安心”をつくるための第一歩です。小さなことでも、積み重ねることで大きな違いを生みます。

最後に|不安なのはペットだけじゃない、あなたも同じ

引っ越しを控えた飼い主さん自身も、不安を抱えているはずです。新しい土地での生活、仕事や子育てとの両立、そして愛するペットのこと。様々な心配事があるでしょう。

だからこそ、「完璧を目指さなくていい」のです。できることから少しずつ取り組み、時には失敗してもいいのです。

少しずつ、できることから始めてみてください。あなたのその優しさと行動が、ペットにとっての”安心”となり、やがて新しい暮らしを穏やかに彩ってくれるはずです。

引っ越しという大きな変化を乗り越えた先には、ペットとの新しい思い出がたくさん待っています。その先の穏やかな日々を思い描きながら、一つひとつの準備を進めていきましょう。

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